理事長からのメッセージ


横浜市国際交流協会は1981年に設立されました。それから四半世紀が過ぎ、横浜の状況は大きく変わってきています。1990年の入管法の改正により、ニューカマーといわれる外国人市民が増えてきました。2009年には横浜市の外国人市民は約8万人と市民全体の2%を超えるまでになっています。日本では国際結婚も結婚全体の5.1%を占めるようになり、日本で生まれる赤ちゃんの30人に一人は両親のいずれかが外国人となっています。さらに、外国人児童生徒も急増しています。横浜市の小中学校には、外国籍の児童生徒や帰化したり、両親のいずれかが外国人という、外国につながる子ども達が5,596人おり、うち1,260人の子ども達は日本語の初歩からの学習が必要です。また、一番多い外国人市民の出身国は中国で、次に韓国・朝鮮、フィリピンと続きますが、国際都市横浜の名にふさわしく、150以上の国の出身者が横浜に住んでいます。

当協会では市民ボランティアの方々の協力を得て、公的機関への通訳派遣、子ども達のために学校への母語による学習支援者や通訳の派遣も行っていますが、ニーズの急速な伸びに対応が追いつかない状態です。協会で行っている多言語での電話相談も、2008年の1年間に約4,400件の相談がありましたが、相談内容も離婚、DV、解雇、滞在資格の変更など、難しくなっています。このように相談内容も深刻化する中で、2008年からは中区の国際ラウンジの運営を開始しました。

また、当協会ではパシフィコの横浜国際協力センターにあるITTO、アメリカ・カナダ大学連合日本研究センター、CITYNET、WFP、FAO、国連大学高等研究所などの国際機関への運営支援も行っており、自治体レベルの国際協力を支えています。さらに、鶴見にあります横浜市国際学生会館の運営も行っています。留学生には積極的に小中学校での国際理解授業の講師を勤めてもらったり、市民向けの講座を開くなど、留学生と横浜市民との交流も働きかけています。また、世界的な不況が進行するなかで、留学生は一層日本での就職を望んでおり、就職支援のための集中講座を開催し横浜の地元企業の紹介などを行うだけでなく、新たにインターンシップなどにも取り組む予定です。また、2009年からはEPA(経済連携協定)の一環で横浜の介護施設に来たインドネシアやフィリピンの介護福祉士候補者への生活相談や日本語教育などの支援事業も始めています。

このように、横浜市国際交流協会では横浜の多文化共生のまちづくりのため、外国人市民の暮らしを支える活動に一層力を入れてまいりたいと考えています。皆様のご支援を、なにとぞよろしくお願い申しあげます。

                                                             理事長 前田正子     ⇒理事長寄稿(2009.2.21読売新聞「論点」)