多言語情報作成マニュアル/多言語標準訳語集
はじめに
●横浜市の多言語情報提供
平成17年4月、横浜市では「横浜市外国語広報のあり方に関する指針」および「横浜市外国語広報取扱規程」を発表しました。それまで、各分野ではすでに多言語によるさまざまな行政情報の発信が行われてきましたが、市全体としてのガイドラインがない状態でした。しかし、この指針および取扱規定が作成されたことで、横浜市における多言語の行政情報提供について、一定の考え方が示されました。
この指針および取扱規定では、外国語広報において想定される対象者を(1)外国人市民(2)外国人来訪者(3)外国企業、としています。
特に外国人市民については、災害・感染症など緊急事態情報はじめ、保健・福祉・子育て・教育、ごみ・公共料金、あるいは年金・健康保険・税金など日常生活に関する情報を優先度の高い情報として位置づけています。
また、取扱規定では翻訳に当たって「外国人と日本人のお互いの文化を認識した上で、適切な表現方法を心がけるとともに、人権にも十分配慮しながら表現するものとする」としており、翻訳についてはよりきめ細やかな配慮をするよう求めています。
そのために、指針では「翻訳にあたり、外国人市民の視点に立ち、また、統一的な翻訳表記に向け、財団法人横浜市国際交流協会(以下、「YOKE」という。)発行の『多言語情報作成マニュアル』『横浜市標準訳語集』を参考にする。翻訳業者あるいは個人翻訳者への委託に際しても、可能な限り参考にするよう働きかけるものとする」としています。
以下、指針および規定で触れられている、多言語情報を提供する上での主な留意点を紹介します。
なお、詳細は下記を参照してください。
・「横浜市外国語広報のあり方に関する指針」
・「横浜市外国語広報取扱規程」
(1)外国語広報とは?
外国人市民、外国人来訪者及び外国企業などに的確に情報を提供するための外国語(やさしい日本語を含む。)による各種広報を指しています。特に留意したいのは、外国語による情報だけではなく、外国人を対象にした「やさしい日本語」による広報も含んでいる点です。約150カ国もの国籍・地域からの外国人が登録している横浜市では、すべての外国語による広報は不可能です。しかし、やさしい日本語を活用することで、より広範な外国人に情報を提供することが可能になります。
(2)どんな言語で翻訳すればよいか?
指針では、外国人登録者が使用している言語の傾向を踏まえ、「言語については、英語による情報提供から積極的に取り組むほか、中国語、ハングル、スペイン語、ポルトガル語も加えた5言語を目安とする」としています。ただし、地域の特徴に合わせて柔軟に対応するよう助言しています。区の外国人登録者の国籍・地域を十分考慮して、言語を選択する必要があります。
また、上述したように、「外国語による広報以外に、翻訳版を作成しない少数言語への配慮を踏まえ、日本語情報に『平仮名のルビ』を付すとともに、平易でわかりやすい表現での要約を添えて対応する」ことも勧めています。
(3)多言語情報原稿作成の注意
規定では、提供情報の原稿を作成するにあたって以下のような注意を促しています。
・「日本語の広報(日本人向け広報)と同一内容で翻訳しても理解できないことがあるため、外国人の視点に立たった作成を心がける」。
・日本語特有のあいまいな表現をできる限り避け、外国語に訳しやすい正確で簡潔な文章を心がけることが重要です。
その他、実際に多言語情報を作成する際には、地域で日本語教室や情報提供などさまざまな活動をしている国際交流ラウンジや、(財)横浜市国際交流協会に相談することも可能です。
横浜市国際交流ラウンジ協議会翻訳分科会
2009年4月
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